小児科・乳幼児健診 −東京都文京区−


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新型コロナウイルスとBCG

 結核を予防するため乳幼児に接種する「BCGワクチン」について、一部の医療機関から、「供給不足になっている」との声が上がっています。否定的な意見があるものの「新型コロナウイルスの感染予防に効果がある」との説が流れたためのようです。効果の真偽はともかく、BCGワクチンの不足は本来、接種を受けるべき子どもたちの健康に影響しかねません。

 子どもにとってのBCGの重要性や不足している背景について、医療ジャーナリストの森まどかさんに聞きました。

大人が保険適用外で接種
Q.結核の原因や症状、治療法、主にどんな人がかかるのか教えてください。

森さん「結核は『結核菌』によって起こる病気です。日本では、肺で結核菌が増殖する『肺結核』が約8割を占めますが、腎臓、腸などさまざまな臓器で起こり得る病気です。

結核菌は患者が咳(せき)やくしゃみをすることで飛び散り、それが空気中に浮遊し、周囲の人が吸い込むことによって感染します。ただし、結核菌を吸い込んだすべての人が結核になるわけではなく、多くは免疫機能によって抑えられ、発病しません。感染した人のうち結核を発病するのは、1割から2割程度と考えられています。

日本は欧米先進国と比べて結核になる人がいまだ多く、2018年の統計では1年間に約1万6000人の人が新たに結核と診断されました。そのうち6割程度が70歳以上の高齢者です。

肺結核の初期は咳、痰(たん)、微熱など風邪と似ている症状が長く(2週間以上)続くことが特徴的です。進行すると、血が混じった痰、強いだるさ、息苦しさなどの症状が見られ、呼吸困難を引き起こし死に至る場合もあります。

しかし、基本的には薬によって治る病気であり、現在は3〜4種類の薬を組み合わせて6カ月程度服用する治療が標準的です。入院は必ずしも必要ではありません」

Q.BCGワクチンとは、どのようなものですか。

森さん「BCGワクチンは結核の発病を予防する生ワクチンで、特に乳児や幼児の『結核性髄膜炎(ずいまくえん)』『粟粒(ぞくりゅう)結核』など、症状が重い結核の発病を予防します。ワクチンは、牛に感染する『牛型結核菌』を弱めたものから作られ、日本では『管針(かんしん)』という“はんこ型”の接種器具で接種します。

ちなみに、BCGという名称はフランス語の『Bacille de Calmette et Guerin』の頭文字を取ったものです。ワクチン開発者であるアルベール・カルメット(Albert Calmette)とカミーユ・ゲラン(Camille Guerin)というフランス人科学者2人の名前の、菌(Bacille)という意味です」

Q.BCGワクチンを接種すると絶対に、結核にかからないのでしょうか。有名人が結核にかかったという話を時々聞きますが、未接種だったのでしょうか。

森さん「BCGワクチンの予防効果は10〜15年と考えられているので、子どもの頃にワクチンを接種していても、成人してからの結核予防に有効とはいえず、発病するケースもあります。

ただし、だからといって、大人になってから再度、BCGワクチンを接種する必要はありません。成人のBCGワクチン接種については、結核の予防効果は科学的に証明されていませんし、安全性も確立されていません。先述したように、免疫機能で抑えられる人が多いですし、発病しても基本的には薬で治る病気です」

Q.BCGワクチンは現在の日本では、子どもにいつごろ接種することになっているのでしょうか。

森さん「1歳になる前に1回接種します。標準的な接種期間は、生後5カ月から8カ月未満とされています。以前は、4歳未満に接種となっていましたが、重症結核を発病しやすい乳幼児の予防効果を高める目的で、2005年に6カ月未満まで引き下げられ、その後、2013年に1歳未満に拡大されました」

Q.「BCGワクチンに新型コロナウイルスの予防効果がある」との説が出たのはなぜでしょうか。その説に対する専門機関や国の見解は。

森さん「査読前の論文、つまり専門家の評価を受ける前の論文を掲載するサイトに3月末、『BCGワクチンを定期接種にしている国と、新型コロナウイルスの感染者と死亡者が少ない国との間に相関関係がある』という研究内容が発表されました。

ここで比較された、BCGワクチンを定期接種にしている国・地域は日本、韓国、中国、香港、シンガポールなどで、接種していない国はイタリア、アメリカ、スペイン、ドイツ、フランス、イギリスでした。確かに、定期接種にしている国は感染者も死亡者も少ない、あるいは制御できているようにも見え、この研究について日本で報道されると、大変話題になりました。

この論文について、日本ワクチン学会は『有効ではないかという仮説は科学的に確認されたものではなく、否定も肯定も、もちろん推奨もしない』という見解を出し、厚生労働省や日本医師会も同様のスタンスを示しました。

これまで、専門家の間でさまざまな議論がありましたが、5月13日に国際的な医学雑誌『JAMA』に掲載された、イスラエルでの比較研究をまとめた論文は『接種した群と接種していない群で、陽性者の数や重症化に差がなかった』と結論付け、有効とはいえない根拠を示しました」

Q.乳幼児以外で、どのような人たちがBCGワクチンの接種を受けているのでしょうか。

森さん「先ほど述べた、BCGワクチンと新型コロナウイルスの関連性が報道されると、予防効果を期待した人たちが『接種したい』と医療機関に問い合わせる事態が相次ぎ、ごく一部ではありますが、成人を対象に“自費(保険適用外)”でワクチンを接種した医療機関がありました。

しかし、BCGワクチンはあくまでも乳幼児の結核の重症化を予防するワクチンであり、成人に接種しても、結核の予防効果も新型コロナウイルスの予防効果も科学的に証明されていませんし、安全性も確立されていません。繰り返しになりますが、乳幼児以外はBCGを受ける必要はありません」

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